中学校道徳教科書 展示会場に行って、感想・意見を書いて提出しましょう! (文責・北村)
小学校につづき、来年度から中学校で道徳が教科になり、今年8月に「中学校道徳教科書」の採択が行われます。
奈良市でも8月上旬に臨時教育委員会の会議をひらいて、教科書採択が行なわれる予定です。
現在、検定合格した教科書見本本の展示会が、各地で開催されています。奈良市でも行なわれており、私も先日、展示会会場の「奈良市保健所・教育総合センター」(7階教科書センター)に行き、見本本の閲覧をしてきました。
中学校道徳教科書の検定合格した教科書は、8社、計30冊あります。
実際に教科書をみると相当な分量であることは一目瞭然! ページをめくると、一つの教材も長く、率直にいって専門家でない素人が全てに目を通し、理解を十分に行なって判断することは困難です。
それでも、数社を比較し、目を通していくなかで、気になることが次々でてきました。
教材のなかに、懲罰的な考え方が色濃く反映したものがあり、大変気になりました。
「法律」と「きまりやルール」を同列視して語っているのも問題だし、「決まったことに従え」といわんばかりの内容で、そこに批判や疑問をもったり、議論し、変える可能性や必要性について、考えさせる内容にはなっていません。
道徳性を培うこととは、真逆の内容ではないか。
また、条例上の「過料」を、刑事罰の「罰金」と書き、明らかに間違っているのに検定合格している教科書があることに、驚きました。こんな教科書はつかってほしくありません。
道徳科の学習指導要領に掲載された、22の項目(徳目)が教科書末尾に掲載され、子ども達に「自己評価」させることを迫っている教科書にも唖然としました。
各教材のさいごに付いている「設問」もくせものです。特定の価値観に誘導していると読み取れるものがあり、きわめて問題です。
市民目線でみて、「これって何なん?」と、疑問におもう教科書・教材が大変多いのが、今回の中学校道徳教科書です。ぜひ、展示会場にいき、感想・意見を書いて提出しましょう!
(奈良市の今後の展示会開催)
●奈良市保健所・教育総合センター(7階教科書センター)
(奈良市三条本町13番1号 ☎0742-36-0401)
(開催日) 6/15(金)〜7/13(金) 9:00〜17:00
●奈良市立西部図書館 (奈良市鶴舞西町1番21号 ☎0742-45-5669)
(開催日) 7/11(水)〜7/18(水) 9:30〜19:00(最終日は14:00まで)